兵庫丹波グリーンツーリズムガイド

       

 篠山東雲高校ふるさと特産類型の2、3年生10人が、キノコの菌床から抽出した酵素と、ハーブやシソなどの植物の抽出液に含まれる物質を反応させることで殺菌効果を生む「生物農薬」の研究を始めた。微生物のユニークな能力を見つけ出し、社会に生かす研究をしている京都大学の研究室が協力。酵素のサンプルの提供を受けたり、効果の分析を依頼したりしながら、微生物の働きや自然に優しい農業への理解を深める。

 同校は、国立農研機構(茨城県つくば市)と共同で、地域の未利用資源である竹粉や下水汚泥、廃菌床をペレット化した堆肥が、黒大豆の根腐病の防除に効くかどうか研究している。生物農薬もさらなる菌床利用の一つとして取り組む。

 キノコから分泌される「ラッカーゼ」という酵素と、ハーブやシソ、エゴマなどの抽出液に含まれる物質「メディエーター」を反応させると殺菌効果を生み、うどん粉病などに効果があるとされている。

 今後、生徒たちが菌床から酵素を抽出したり、その酵素と相性のよいメディエーターを探す。どんな植物からどんなメディエーターが抽出でき、反応させた生物農薬がどんな植物に効果があるのかを実証していく。

 同校にこのほど、農学博士で京大名誉教授の清水昌さんを招き、微生物が日頃の暮らしの中でどのように利用されているかを学んだ。清水さんは、「微生物も資源。日本は微生物の超資源大国だ」と話し、洗剤や粉ミルク、ガムなどにも微生物が利用されていることを紹介した。一方で、有効な微生物を見つけることは「羅針盤を持たずに旅に出るようなものだ」と、大変な作業であることも説明。「柔軟な頭で、“冒険”してほしい」と、充実した研究になるようエールを送った。

 尾崎夏鈴さん(3年)は、「キノコといえば、『食べる』とか『毒がある』といったイメージしかなかったけど、酵素を取り出せば、いろいろと役に立つことが知れて、貴重な体験だった」と感想。清水さんは、「普段からいろんな植物の病気に出合うことのある生徒たち。研究がうまくいっても、うまくいかなくても次に何をすべきかが見えてくる。社会の仕組みを考えるきっかけにしてほしい」と話していた。

 

 

 

 

(写真)生徒らに洗剤に使われている酵素について説明する清水さん=篠山市福住で 

 丹波新聞より

 

Login

ユーザー名:
パスワード:
パスワード紛失