兵庫丹波グリーンツーリズムガイド

                       

 兵庫陶芸美術館(篠山市今田町上立杭、079・597・3961)でテーマ展「丹波焼の世界」(同美術館、丹波新聞社主催)が開かれている。約40点の展示作品から、800年を超える歴史を育んできた丹波焼を全体にわたって見渡すとともに、近年活躍した作家の作品を通して丹波焼の未来を探っている。来年3月末まで。県政150周年記念先行事業の一つ。

 日本六古窯の一つ、丹波焼は、平安時代末期に東海地方の常滑焼や渥美焼などの窯業技術を移入・導入して誕生した。

 中世(鎌倉―室町時代)には、壺や甕、すり鉢を中心に灰白色の素地に鮮緑色の自然釉の美しい無釉陶器生産に終始したが、近世(安土桃山―江戸時代)初頭に穴窯から登り窯に転換。茶陶なども生産するようになり、赤土部や灰釉、栗皮釉、石黒釉などを使った各種の施釉技法を生み出し、器面装飾に多彩な展開をみせた。

 近世後期には、白い器面の白丹波と共に、京焼系の意匠・技法を受け入れるなど、時代の要請に即応しながら、現在まで連綿と生産を続けている。近年は、丹波焼の伝統を生かしつつ、斬新で新たな息吹にあふれた作品も制作している。

 会場には、長らく不明だった丹波焼の生産窯の所在を明らかにした、三本峠(今田町釜屋)で見つかった鎌倉時代の陶片から始まり、室町前期に確立した丹波焼特有の口縁部が大きく外に反った甕や、茶陶生産が始まった桃山時代に作られた手桶形の水指、近世丹波焼を象徴する赤土部徳利などが飾られている。

 2011年、68歳で逝去した市野茂良さん(丹窓窯)の作品「白釉スリップ文角皿」「藍塩釉注瓶」なども紹介。市野さんは1969年、親交のあった陶芸家バーナード・リーチの招きで渡英し、そこで習得した藍塩釉やスリップウェア、ハンドル付きの水差しなど、リーチの足跡を伝える技法を駆使し、新しい丹波焼を生み出した。

 このほか、江戸前期に作られ、丹波焼の名物にも挙げられる朝倉山椒壺も6点展示。多様な形状や朝倉山椒(養父市八鹿町原産)について解説している。

 

 

 

 

(写真)800年を超える丹波焼の歴史の全容を解説した、各時代のやきものが飾られた展示会場=篠山市今田町上立杭で

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